文化財の保存/修復 絵画・書跡分野における国宝・重要文化財等の保存修理(京都市)
株式会社岡墨光堂
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web修復 公開のご案内

株式会社岡墨光堂では、創立90周年(昭和58年)を記念して「国宝 伝源頼朝像・伝平重盛像・伝藤原光能像 修理報告書」を刊行しました。そして、10年後の100周年には『修復―創刊号―』を世に送り出し、それ以降、数多くの国宝や重要文化財の修理報告や、新しい修理に役立つ技術などを紹介しながら号を重ねて参りました。創立120周年(平成26年)には『修復―9・10合併号―』を一つの区切りとして刊行し、次への模索をしながら現在に至りました。

この『修復』が刊行されてから約四半世紀の間に、乾式肌上げ法DIIPSなどの様々な修理技術は、特別な存在から、装潢修理における必須の標準的な作業工程となりました。国宝修理装潢師連盟が実施する資格制度や、それに伴う研修などにより、経験年数に応じた技術者のテクニックや知識の底上げも大きく前進しました。

また、近年は装潢修理の重要性に注目した展覧会が開催される機会も増えてまいりました。平成28年12月から約2ヶ月間にわたって京都大学総合博物館と京都文化博物館で開催された「日本の表装」、続いて京都文化博物館では平成29年度から3ヶ年連続で、総合展示として「保存と修理の文化史」、「古社寺保存法の時代」、「道具と材料の職人譜」が開催されました。さらに令和2年3月には「日本の表装」の期間中に開催された講座やシンポジウムの内容を中心に、文化財修理に関する様々な最新の情報が豊富に盛り込まれた『日本の表装と修理』が勉誠出版より発行されました。

このように装潢修理を取り巻く環境が変化する中、Web修復という新しい場を設け、様々な情報を発信することと致しました。更新の時期は不定期としますが、修理の専門家や文化財に関わる多くの人々、あるいは、これから文化財修理の分野に進もうとする志のある人々に役立つ、あるいは後世に残しておくべき記録や情報を随時、公開してまいります。この場が新たに情報交換や議論の場となることを祈念して、Web修復公開のご案内とさせていただきます。

2020年5月15日 
株式会社岡墨光堂
代表取締役 4代目 岡 岩太郎