実績

伝統工芸品を支える匠の技を様々な角度から研究する、京都工芸繊維大学伝統みらい教育研究センターの研究成果をまとめた概説書です。本書では特に「材料」という観点から匠の技に迫っています。匠がどのような視点で材料を選択、加工しているのか、その暗黙知をわかりやすく説明し、また、扱う材料を竹・木材、繊維・紙、塗料・接着剤、金属材料、土・焼き物と体系的に整理しています。装潢修理技術については、書画の素地となる各種の和紙の選択や、裏打ちに用いる和紙の使い分け、これらの和紙を貼り合わせる接着剤の特質を解説しています。さらに、打刷毛叩打における材料との関係について、３次元動作解析などの科学的分析を行い、熟練者の材料へのアプローチについて解明を試みています。